国際知財司法シンポジウム2020

ごあいさつ

この度,最高裁判所,知的財産高等裁判所,法務省,特許庁,日本弁護士連合会及び弁護士知財ネットの共催により,「国際知財司法シンポジウム2020~日米欧における知財司法の現在地と課題~」を開催することとなりました。

4回目となる今回の国際知財司法シンポジウムは,新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため,アメリカ,イギリス,ドイツ及び欧州特許庁の裁判官及び審判官にオンラインで参加していただき,ライブ配信で開催いたします。

知的財産高等裁判所が担当するプログラムでは,著名なアメリカ,イギリス,ドイツの裁判官及び日本の弁護士をパネリストに迎えて,「特許権侵害訴訟における均等論の実情」及び「新型コロナウイルス感染症の影響下での裁判運営」をテーマとして,パネルディスカッションを行います。

「特許権侵害訴訟における均等論の実情」のテーマでは,模擬事例を用いて議論をし,各国の均等論の判断枠組及び運用の違いなどを明らかにして,相互理解を深めたいと思います。議論の題材とするため,日本における均等論の審理を紹介する模擬裁判の動画を,本ウェブサイトにおいて事前に配信する予定です。

また,「新型コロナウイルス感染症の影響下での裁判運営」のテーマでは,パネリストから,各国の最新の事情を紹介していただき,情報交換いたします。

本シンポジウムが,知財訴訟に携わる弁護士,弁理士のみならず,産業界や研究者の方々にとっても,欧米の知財司法の最新情報や,新型コロナウイルス感染症の影響下での裁判運営の実情に触れ,我が国の知財司法制度や裁判制度についての理解が一層深まる貴重な機会となることを確信しております。

知的財産高等裁判所長
大鷹 一郎



この度,「国際知財司法シンポジウム2020」を開催する運びとなりましたことを大変喜ばしく思います。

本シンポジウムは,海外から実務家をお招きして,我が国を含む各国の知的財産に関する司法制度等に関する情報を共有・発信し,知的財産法分野における国際的な連携を図ることなどを目的として,法務省,最高裁判所,知的財産高等裁判所,特許庁,日本弁護士連合会及び弁護士知財ネットの共催により,2017年から開催しているものです。

4回目となる今年は,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に配慮し,ウェブ会議形式で開催することとなりました。「日米欧における知財司法の現在地と課題」の副題の下,アメリカ,イギリス及びドイツの知的財産法分野において豊かな知識と経験を有する実務家に参加していただき,我が国の実務家と共に,新型コロナウイルス感染症に対する取組を始めとした,知財紛争に関する最新の議論と課題についてパネルディスカッションを行う予定です。

政府においては,本年5月「知的財産推進計画2020」を決定し,知財分野における国際的連携及び海外進出を行う民間企業等への知財紛争解決に関する情報提供を重要な課題として位置付けております。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行(パンデミック)が続く中,「ニュー・ノーマル(新たな日常)」に対応した知財紛争処理の実現のため,知財分野の国際的連携等の重要性はますます高まっております。

本シンポジウムにおいて,知財紛争に関する最新の議論と課題が共有されることにより,日本を含めた参加各国における知財分野の一層の発展が期待されるとともに,ニュー・ノーマルに向けた同分野における参加国間の国際連携のためのネットワーク強化にもつながるものと確信しております。

本シンポジウムが,知的財産に御関心のある全ての方々にとって有益な機会となりますよう,心より祈念しております。

法務事務次官
辻󠄀 裕教



この度,米国,欧州から著名な裁判官,審判官をお招きして「国際知財司法シンポジウム2020」を開催できることを大変嬉しく思います。

2020年は,新型コロナウイルス感染症により,世界のあらゆる活動が大きな影響を受けた年となりました。我々の生活様式についても,テレワークを始めとするリモート化やデジタル化の流れが一気に加速しました。

このような状況下で特許庁審判部でも,面接をオンライン会議形式で行い,審判官の勤務にもリモートワークを導入するなど,審理が滞りなく進められるよう努めております。また,新型コロナウイルス感染症の影響で,期限内に手続ができない方に対する救済措置も導入しています。

審理の充実やユーザーの利便性向上にも引き続き取り組んでおります。2020年には,無効審判において,複数回の口頭審尋を活用し,早期の争点整理と,当事者による十分な主張・立証を可能とする「計画対話審理」の試行を開始いたしました。また紛争の未然若しくは早期解決に資するべく、判定制度の利便性向上に向けた取組みも強化しています。その一環として,標準必須特許に関する必須性を争点とする判定の運用も開始しております。

シンポジウムでは,特許庁,知財高裁,欧州特許庁,米国特許商標庁の各担当者による,仮想事例を用いた進歩性に関するパネルディスカッション及び新型コロナウイルス感染症への審判部の取組み等に関する講演を行います。また,特許権侵害訴訟における均等論に関するパネルディスカッションや,新型コロナウイルス感染症の影響下での裁判所の取組みを含めた最新状況の紹介も予定されております。

このように,本シンポジウムは,各国の司法制度や知財庁の考え方をより深く理解し,日米欧いずれの国・地域においても,ユーザーの皆様が予見性を持って知的財産活動を行うための,非常に貴重な機会であると考えます。

本シンポジウムが,産業界,弁護士,弁理士といった知財制度ユーザーの皆様にとって,企業活動のグローバル展開の一助になることを期待しております。

共催者一同,多くの皆様のご参加をお待ちしております。

特許庁長官
糟谷 敏秀



今年も「国際知財司法シンポジウム」が開催されることを,主催団体の一員として喜ばしく思います。本シンポジウムは4回目を迎えますが,新型コロナウイルス感染症の影響により,各国における知財司法の最前線で活躍する法曹実務家と政府関係者をオンラインで繋ぎ,模擬裁判やディスカッションを通じて,国際的な知的財産紛争の司法判断や近時の知財トピックについて知見を深める貴重な機会です。

今回は,「日米欧における知財司法の現在地と課題」をテーマに開催します。昨今の状況に鑑み,初めてのオンラインでの開催となりますが,充実したプログラムで,参加者のみなさまにとって有意義な機会となることを確信しています。

新型コロナウイルス感染症の影響により,多くの国や地域で,デジタル化・オンライン化が進んでいます。本シンポジウムもその影響を受けたひとつです。今回は,コロナ禍における裁判運営・審判運営等の取組についても情報を得ることができる貴重な機会です。また,このようにデジタル化・オンライン化がグローバル規模で進む社会において,国境を越えた知的財産をめぐる法的紛争の解決を支えるためには,相互の法制度の理解がより一層重要であると考えます。本シンポジウムが,そのような相互理解の場になることを期待しています。

日本弁護士連合会は,利用者にとって使いやすく,頼りがいのある民事司法を築くことを最重要課題のひとつに位置づけています。私たちは,気を緩めることなく,引き続き市民や事業者の皆さまを支援するため,必要な活動を展開していきたいと思っています。

本シンポジウムが,新型コロナウイルス感染症に対する法的機関の取組について共有する場となり,各国の知的財産をめぐる法制度の相互理解が深まる機会となれば幸甚です。

日本弁護士連合会会長
荒 中



新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染防止への配慮のなか,アメリカ合衆国,英国,ドイツそして日本の知財専門家である裁判官,弁護士,審判官などがウェブ会議形式にて集い,「国際知財司法シンポジウム2020」(JSIP2020)が開催されますことを,我々は,心から慶び,この開催の一翼を担えることをたいへん誇りに思います。

今回は,新しい生活様式の下でのウェブ開催であり,特許法の課題のみならず,COVID-19の影響下での裁判運営・審判運営等に関する議論も行われる予定であるため,正に直近の情勢下における貴重な取り組み・議論を伺えることが大いに期待されます。

我々弁護士知財ネットは,日本弁護士会連合会が知的財産分野における法制度やリーガルサービスの発展にむけて取り組んできた諸活動の成果のひとつとして,知的財産高等裁判所が創設された2005年4月に同時に創設され,今日まで国際シンポジウムを含む,さまざまな活動を続けてきました。

我々は,国境を越えて,知的財産紛争の迅速かつ適正な解決の姿を共に模索する必要を感じ,これまでも,国際シンポジウムを開催し,あるいは,参加してきました。昨年は,インド,オーストラリア,大韓民国,中華人民共和国及びASEAN加盟10か国(インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,ラオス)そして日本の知財専門家である裁判官や弁護士などが一堂に集い,「国際知財司法シンポジウム2019」(JSIP2019)が開催されました。今年は,「日米欧における知財司法の現在地と課題」をテーマとしており,本シンポジウムは,参加者の皆様にとって,きっと興味深くかつ有益なものになるでしょう。

本シンポジウムの成果が,COVID-19の逆境下の司法・審判手続にも生かされることを,心から期待致しております。

弁護士知財ネット理事長
末吉 亙